昨日は殻付きを蒸して食べた坂越牡蠣、剥き身も注文しておいたので、今朝、燻製にしてきました。
貝類は食中毒が怖いので、生食用を使っています。牡蠣は柔らかいので下ごしらえや調理時に崩れないように注意する必要があるのですが、成林水産から取り寄せている牡蠣はしっかりしていて、身が崩れることはありません。なんでこんなにしっかりしているのか、不思議なくらいです。
http://www.vinca.jp/company/02933632
燻製方法、人によって色々とやり方がありますが、注意点は以下の3点です。凝りだすと細かいポイントがもっとあるのですが、始めはこの3点にさえ注意しておけば、大きく失敗することはないと思います。
- 下ごしらえ時の塩分濃度
- 下ごしらえ時の乾燥
- 燻すときの温度
私は以下のように調理しています。
まず、下ごしらえです。
水1,000ml、塩70g、砂糖70g、粒コショウ少し、ローリエ数枚を沸騰さえ、冷やしてソミュール液を作ります。牡蠣で元々塩味となっているので、塩分濃度は低めにしています。肉類とかを調理する場合、もっと濃くします。
ニンニクとか入れる人もいますし、みなさんそれぞれ工夫している工程ですね。基本は「塩漬け」ですが、オリジナリティを出していくと楽しいと思います。
続いて、牡蠣を洗って軽く湯通しします。あまり煮詰めると牡蠣のうまみ成分が出てしまうので、短時間で切り上げます。
煮汁が勿体ないので、お吸い物にして飲みました。鍋なんかにしても、いいかもしれません。
作っておいたソミュール液に軽く湯通しした牡蠣を漬け、冷蔵庫で3時間くらい置きます。時間が短かいと味が薄くなり、逆に長いと味が濃くなります。ソミュール液の塩分濃度によっても変わってくると思いますので、何回かトライすると、自分の好みの味を出せるようになれます。
3時間後、牡蠣をソミュール液から取り出し、流水で軽く洗った後、乾燥させます。燻製作りで一番のポイント、私は乾燥工程だと感じています。水分が多い状態で燻すと、苦い、えぐみがある、酸味があるとった結果となってしまいます。なので原則しっかりと乾燥させた方がいいのですが、やりすぎてカラカラになっても美味しくないので、ある程度経験して感覚をつかむしかないと思います。
私はベランダで干しますので、気温が0℃~5℃くらいの中で、6時間くらいかけて乾燥させます。温度が高いと腐敗してしまい、マイナスになるくらい低いと凍ってしまうので、注意が必要です。安定した温度管理をしたい場合には冷蔵庫で乾燥させる方法もありますが、結構たくさんの量を一気に作るので、スペースの関係でベランダ干しとしています。
さあ、これで仕込み作業は完了です。前日に仕込みながら殻付き牡蠣を楽しんでいたのですが、翌朝早いので、あまり飲みすぎないようにして寝ました。
翌朝6:00に起きてベランダ干ししていた牡蠣を回収し、薄明るくなったら燻製場に出発です。家から車で10分くらいに河原があり、トイレ完備で無料でキャンプ、バーベキューOKなので、いつもここで燻製作りしています。
燻すとききの温度によって出来上がりが変わってきますので、これも数回トライしてみて自分の好みを探してみると面白いです。温度管理ですが、「温める」より「冷ます」方が難しいです。私はバーナーを熱源としているので、温めるのは火を付ければいいだけ。逆に冷ますのは放置するしか方法がありません。そのため、なるべく気温が低い状態の方が温度管理しやすく、朝早く気温の低い時に調理するようにしています。0℃から5℃くらいの中での作業なので、ちょっと寒いですけど。
燻製器、私はユニフレームのフォールディングスモーカーFS-400を使っています。折りたためるので収納や運搬に便利で、大きさも丁度よく、使いやすいです。この前ユニフレームのホームページを見ていたら、この製品がラインナップからなくなっていて、大きいFS-600しか販売されていないようでした。FS-400は使い勝手もよく耐久性もあるので、今までアウトドア仲間に紹介していたのですが、無くなってしまって残念です。
バーナーの上に燻製器を置き、燻す牡蠣をセットします。バーナーや燻製器は組み立て式ですが、5分もあれば準備できます。
どのような香りをつけたいかで燻製に使う木材が変わってきますが、今回はサクラを使いました。しっかりとした香りが付きます。更に、ピートを使いました。ピートを使うと一気にスモーキーになるので、香りが好きな人は併用をお勧めします。逆に香りが苦手な人は、使わない方がいいと思います。
私は取扱いの容易さから、スモークチップではなくスモークウッドを使っています。スモークチップの場合は常に熱源からの加熱が必要ですが、スモークウッドは一旦着火すれば、最後まで煙が出続けます。この分量で、1時間くらい煙を出し続けることができます。
後は出来上がるのを待つだけですが、温度管理だけしっかりとやります。燻す温度によって出来上がりが異なってくるので、このあたりも何回かトライしてみると感覚がつかめると思います。
私は表面に色を付けて固めに仕上げるのが好みなので、80℃~100℃を維持し、1時間30分間燻しました。
寒いので車の中で待機していますが、10分に1回くらいは温度チェックします。
食材の配置場所によって火の伝わり方に差が出るので、たまに表裏を変えたり場所を変えたりして、まんべんなく煙が回るようにします。そして、1時間30分経過し、ついに完成です!
後は家に帰ってできる作業なので、ゴミを残さないように後片付けして撤収します。
出来上がった牡蠣の燻製、2~3日寝かした方が味が落ち着いて美味しくなります。そのままでもいいのですが、私はオリーブオイル漬けにして保存しています。食べるときにフライパンで温めることもできるし、パスタに入れたりもできるので、便利です。
今回作った牡蠣の燻製です。
これを、オリーブオイル漬けにして保存します。防腐剤等は使っていない素人調理なので、食中毒のリスクを減らすためにも保存容器は煮沸消毒しています。
オリーブオイルと鷹の爪を入れて、すべて完成です。味が落ち着くまで、食べたい気持ちをぐっとこらえて我慢します。今週水曜日くらいかな。
これで調理は終わりですが、燻製器の後片付けが残っています。煙で燻しているので、べっとりと汚れていて、洗剤とスポンジとかで洗うとかなり大変です。私が使っているのはコレ。ムチャクチャ強力で便利です。
汚れた状態でスプレーし、数分間放置します。
その後、水洗いしただけで、ここまでキレイになります。スポンジ等で一切擦っておらず、スプレーして水洗いしただけです。
後はスポンジで軽く擦れば、ピカピカです。
燻製器本体も同様に、ほとんど労力なくピカピカになります。
これで落ちなかった油汚れはないくらいに強力なので、1本常備しておくと、何かと便利に使えます。
2~3日寝かした後に食べることになるので、結果はそのときにまたアップします。