今年のGWにマチュピチュに行ってきたのですが、ホテルへ送迎してもらったドライバーが「新空港建設の予定があるけど、環境破壊になるので建設しないでほしい」と話していました。
5/31の会社帰り、電車の中でニュースサイトを見ていたら、衝撃的な記事が!
反対している人が多い中、ペルー政府が新空港建設に着手したとのことです。
交通の便を良くして、観光客を増やそうという狙いがあるかもしれません。先日訪れたばかりの地なので記憶に新しく、ちょっと疑問に思うところもあるので個人的な意見を書いてみようと思います。
マチュピチュへの交通の便は変わらないのでは?
マチュピチュへのアクセスが大変なのは、空路の後の移動となります。マチュピチュまでの車道はないため、一般的には電車、またはトレッキングルートを使って徒歩で行くことになります。
電車を使う場合、駅はクスコかオリャンタイタンボとなります。新空港を建設しようとしているチンチェロですが、ちょうどクスコとオリャンタイタンボの中間となります。
そのため、空路でチンチェロに到着した後、クスコかオリャンタイタンボに行く必要があり、現状と変わらないと思います。
上記CNNの記事から、一部を引用します。
山頂に築かれたマチュピチュ遺跡は険しい山脈や渓谷に守られて、何百年もの間、近寄りがたい場所だった。しかし新空港ができればかつてなくアクセスが容易になる。
これ、どのような考察をしているのか、気になります。個人的には、新空港ができても、マチュピチュへのアクセスは今と変わらないと考えています。
マチュピチュのキャパが持たないのでは?
もし仮にアクセスが容易となった場合ですが、狙い通り訪れる人は増えると思います。その場合、マチュピチュのキャパが持たないと思います。
現状でさえ、入場制限をしており、人気のある時間帯はかなり前から予約で一杯となっている状態です。これ以上訪問者が増えると、マチュピチュに入れない人が増えると思います。
マチュピチュでの入場制限を緩くすれば多くの訪問者を受け入れることができるでしょうが、遺跡へのダメージを考慮して入場制限しているとのことなので、今以上に入れる人が増えることはまずないと思います。
意味のある施策なのか?
以上のように、新空港建設については、私は懐疑的です。狙いが訪問者を増やすことではなく別のところにある場合には、考え方を変える必要がありますが…。
こういったインフラ整備、やるべきかやらないべきか、日本でも問題になることがありますよね。
- 山を切り崩して高速道路を伸ばす必要があるのか?
- 村を沈めて、ダムを造る必要があるのか?
もちろんインフラが整うと便利になるのは疑う余地がありませんが、今までそこにあったものを壊すことになるのも事実。賛成派と反対派が出てくるのは当たり前で、双方の落としどころを見つけるのに話し合いが難航する場合もしばしばあるでしょう。
インフラ整備しないとダメなのか?
少し視点を変えて、考えてみたいと思います。
「今以上に良くしたい、便利にしたい」という期待を持ってインフラ整備するはずですが、インフラ整備した結果、逆に悪影響が出るということもあり得ると思います。
例えば、今回のように空港を新設したことによって、訪問者が増えたとします。その結果、自然破壊が進んだり、今までの雰囲気が損なわれて、魅力が薄れてしまう。そうなると、結果的には訪問者が減ってしまうこともあるのではないでしょうか。
短期的には観光業の収益は増えるかもしれませんが、長期的に見ると、どうなるのか?もちろん、そのあたりもしっかりと考えた上での施策のはずでしょうが、「あまり整備しないでほしい」と思うようなこと、個人的にはそこそこあります。
最後に、身近なところで、国内事例をいくつか挙げておきます。
- ニセコ
- 石垣島
- 下地島(宮古島)
これらの地に詳しい人は、10年前と現在とで何がどう変わったのか、よく実感できると思います。その変化が良かったのか悪かったのかは、人によって意見が分かれることでしょう。個人的には、以前より便利になったことで、魅力が薄れてきている場所となります。