台風19号、間もなく日本列島上陸まで近づいており、各地で大雨や強風となっていますね。
今までの台風でやっていなかった対応として、ダムの緊急放流を行う可能性がアナウンスされています。現時点で、以下4つのダムですね。
城山ダム(相模川)
下久保ダム(利根川・荒川)
川俣ダム(鬼怒川)
川治ダム(鬼怒川)
一番早くアナウンスのあった城山ダムは17:00に緊急放流予定でしたが、延期となりました。まだ中止が確定した訳ではないので、しばらくは市町村やテレビのアナウンスを注視しておいた方がよさそうです。
ダムの緊急放流が予定されると、下流にある河川が氾濫するリスクがあり、避難勧告や避難指示が出ますね。
緊急放流って、どのくらいの水が放流されるか、テレビニュースなどで説明されていない気がします。
正しい知識を持っておき、適宜自分の身を守ることが重要ですので、まとめておきます。
緊急放流はダムがなかった場合と同じ状態
緊急放流と呼ばれている操作、正確には特例操作となります。
ダムが貯蔵できる水量が限界まで近づいてきて、このままだと溢れるリスクがあるときに、放流する操作のことを言います。
一番勘違いされやすいのは、ダムで貯蔵している水を一気に流すので、下流にある河川が大変なことになるという誤解です。もしこのようなことをやったら、大変なことになるのは目に見えています。
緊急放流では、ダムが存在しなかった場合と同量の水量を放流します。すなわち、上流からダムに流入する水量が「100」である場合、放流する水量は「100」となります。
「150」や「200」の水量が放流されると考えている人もいるかと思いますが、そのようなことはありません。
ダムの決壊を防ぐことが目的なので、ダムへの流入と流出が等しくして、今以上の貯蔵水量とならないように制御する訳ですね。貯蔵水量を今より減らす訳ではないです。
緊急放流で下流河川は氾濫するのか
そのため、理論上は、ダムが存在しなくても氾濫しないような河川整備ができていれば、下流河川が氾濫することはないです。
しかし、現実問題として、「ダムありき」での河川整備となっている地域があるため、緊急放流があると氾濫してしまう訳です。
氾濫の範囲が予測できればピンポイントで避難地域を指定することができるんでしょうが、緊急放流がほとんど発生しないので、予測困難でしょう。そのため、かなり広い地域に渡って、避難勧告や避難指示が出ているのだと思います。
今までなかったような対応がとられようとしているので、間違いなく脅威は大きい状態だと思います。興味本位でダムや河川に近づいたり、リスクを負うような行動はしないようにしましょう。